信州大学医学部附属病院 病院機能指標 2022年度

患者管理関連指標

関連項目 19、22、23-1、23-2、24、28

指標の解説

項目19
薬剤管理指導料算定件数
薬剤師が入院患者に服薬指導を行った件数
項目22
褥瘡発生率
入院患者に褥瘡(床ずれ)が発生した比率
項目23-1
手術あり肺血栓塞栓症予防対策実施率
特定の手術をした患者に対する肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)の発生予防を実施した比率
項目23-2
手術あり患者の肺塞栓症の発生率
特定の手術をした患者の肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)の発生率
項目24
多剤耐性緑膿菌(MDRP)による院内感染症発生患者数
多剤耐性緑膿菌(MDRP)が 院内にて感染して発症した患者の数
項目28
10例以上適用したクリニカルパス(クリティカルパス)の数
10例以上適用したクリニカルバスの数
クリニカルパス(クリティカルパス)とは、患者状態と診療行為の目標、及び評価・記録を含む標準診療計画のこと

当院の実績と全国平均値との比較

取組みが成果に現れてきています
動向を観察中
改善を検討中
自院過去5年間のデータに対する自院による評価
指標 項目 掲載値 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 評価
薬剤管理指導料算定件数 19 当院 15,543 13,860 14,463 14,157 14,863
平均値b 14,699.6 14,242 14,810.1 15,117.6 15,252.1
褥瘡発生率 22 当院 0.56 0.5 0.97 1.54 2.05
平均値a 0.5 0.5 0.6 0.6 0.7
手術あり肺血栓塞栓症予防対策実施率 23-1 当院 90.3 94.6 94.8 95.7 94.4
平均値b 89.7 89.5 90.2 90 90.1
手術あり患者の肺塞栓症の発生率 23-2 当院 1.25 0.8 1 0.99 1.17
平均値b 0.2 0.2 0.2 0.2 0.2
多剤耐性緑膿菌(MDRP)による院内感染症発生患者数 24 当院 0 0 0 2 0
平均値a 0.7 1 0.7 0.9 0.7
10例以上適用したクリニカルパス(クリティカルパス)の数 28 当院 157 152 176 188 200
平均値a 106.5 116.7 121.1 135.5 145.7
a:国立大学病院(本院)および歯学部附属病院b:国立大学病院(本院)(42大学)

当院の自己評価

項目19
薬剤管理指導料算定件数
動向を観察中
薬剤師が入院患者に服薬指導を行った件数
薬剤管理指導料算定件数
↑ 高いほど良い

薬剤管理指導料算定件数グラフの値は当院の実績と全国平均値との比較の表内にも記載しています。

病棟薬剤業務実施加算の算定開始の影響で、一時期、薬剤管理指導料の算定件数は減少しましたが、2020年度から2022年度にかけて、概ね横ばいとなっています。2022年度からすべての特定入院料の算定病棟において、病棟薬剤業務実施加算の算定を開始しており、それに伴う薬物治療管理のさらなる強化および薬剤管理指導料の算定件数の増加に努めています。
項目の定義・算出方法
DPCデータを元に算出した、医科診療報酬点数表における、「B008 薬剤管理指導料(1)(2)」の算定件数です。
単位
項目22
褥瘡発生率
改善を検討中
入院患者に褥瘡(床ずれ)が発生した比率
褥瘡発生率
↓ 低いほど良い

褥瘡発生率グラフの値は当院の実績と全国平均値との比較の表内にも記載しています。

本院は、褥瘡とMDRPUの発生率を算出しています。発生率上昇の原因は、重症度が高く循環動態が不安定な患者や高齢者や疾患による皮膚が脆弱な患者が増加したこと、観察項目の変更などにより褥瘡・MDRPUが発生した患者の発見が多くなっているためです。褥瘡・MDRPUの院内マニュアル普及、スタッフの知識・技術の向上の取り組みを行っています。今後も、褥瘡やMDRPU予防に取り組んでいく必要があると考えています。
項目の定義・算出方法
褥瘡の定義は、「DESIGN-Rでd2以上(深さ判定不能含む)、あるいはNAUAPの分類にてステージⅡ以上(判定不能含む)に該当する褥瘡」としました。年間入院患者数に対する、新しく褥瘡が発生した患者数の比率(%)です。
単位
項目23-1
手術あり肺血栓塞栓症予防対策実施率
動向を観察中
特定の手術をした患者に対する肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)の発生予防を実施した比率
手術あり肺血栓塞栓症予防対策実施率
↑ 高いほど良い

手術あり肺血栓塞栓症予防対策実施率グラフの値は当院の実績と全国平均値との比較の表内にも記載しています。

病院全体で予防対策を適切に実施できるよう、取り組みに努めています。医師の異動のタイミングで肺塞栓症予防の実施指示や予防管理料の算定について個別介入するなどの対策を継続し、年々向上しつつ、全国平均より高い実施率を認めています。引き続き、病院全体の喫緊の課題として、適切に予防対策を実施するとともに、算定手続きを正しく行えるよう改善を進めてまいります。

項目の定義・算出方法
当該項目は独立行政法人国立病院機構が2015年9月に発表した「国立病院機構臨床評価指標Ver.3.1計測マニュアル」に基づき作製しています。具体的にはDPCデータを元に算出した、特定の手術を実施した患者に対する「肺血栓塞栓症予防管理料」の算定割合を算出するものです。
単位
項目23-2
手術あり患者の肺塞栓症の発生率
動向を観察中
特定の手術をした患者の肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)の発生率
手術あり患者の肺塞栓症の発生率
↓ 低いほど良い

手術あり患者の肺塞栓症の発生率グラフの値は当院の実績と全国平均値との比較の表内にも記載しています。

手術あり肺血栓塞栓症予防策実施率94-95%台で推移している一方で、本指標は、1%前後で推移しています。この理由として、本院では、肺塞栓症を疑った場合には肺塞栓症疑いとしてより早期のスクリーニングを行っているため、本指標が高めに算出されている可能性があります。前年度からは上昇しているため、引き続き予防と早期発見に努めてまいります。
 本指標とは別にカルテレビューを行って、(周術期入院中に新規発症した肺塞栓症確定病名者)/(本予防策実施対象者)を算出したところ、2021年度は0.78%、2022年度は0.55%でした。
項目の定義・算出方法
当該項目は独立行政法人国立病院機構が2015年9月に発表した「国立病院機構臨床評価指標Ver.3計測マニュアル」に基づき作製しています。具体的にはDPCデータを元に算出した、特定の手術を実施した患者に対する「肺血栓塞栓症」の発生割合を算出するものです。
単位
項目24
多剤耐性緑膿菌(MDRP)による院内感染症発生患者数
動向を観察中
多剤耐性緑膿菌(MDRP)が 院内にて感染して発症した患者の数
多剤耐性緑膿菌(MDRP)による院内感染症発生患者数
↓ 低いほど良い

多剤耐性緑膿菌(MDRP)による院内感染症発生患者数グラフの値は当院の実績と全国平均値との比較の表内にも記載しています。

2022年度に、MDRP感染症発生患者はありませんでした。当院では、MDRP前段階の2剤耐性が判明した時点よりMDRPに準じた対策を実施しています。検査部門からの迅速な報告体制を整え、早期から対策を徹底しています。近年は広域抗菌薬治療が長期に必要で2剤耐性化が進む症例が増加しています。適正使用が推進されるようAST活動もさらに充実させてまいります。
これからも、職員一人ひとりが標準予防策を遵守するとともに、感染対策チームの専門的介入を行い医療関連感染予防に努めてまいります。
項目の定義・算出方法
対象年度1年間の新規MDRP感染症発生患者数です。多剤耐性緑膿菌が検査により検出されていても、発症していない症例を除きます。保菌者による持ち込み感染は除き、入院3日目以降に発症したものを計上します。
単位
項目28
10例以上適用したクリニカルパス(クリティカルパス)の数
動向を観察中
10例以上適用したクリニカルバスの数
クリニカルパス(クリティカルパス)とは、患者状態と診療行為の目標、及び評価・記録を含む標準診療計画のこと
10例以上適用したクリニカルパス(クリティカルパス)の数
↑ 高いほど良い

10例以上適用したクリニカルパス(クリティカルパス)の数グラフの値は当院の実績と全国平均値との比較の表内にも記載しています。

1年間に10例以上適用したクリニカルパス数は188から200に増加しました。2022年度はクリニカルパス委員会を年10回以上開催し、各診療科、病棟とパス見直しを行いました。また、前年度に引き続きクリニカルパス推進ワーキンググループを開催し、更なるクリニカルパス作成推進を図りました。今後も適切なパスの作成や見直しを行えるよう、改善に努めて参ります。

項目の定義・算出方法
対象年度1年間に10例以上適用したクリニカルパスの数です。「10例以上」とは特異な事情(バリアンス)によるクリニカルパスからの逸脱(ドロップアウト)を含み、当該年度内に適用された患者数とします。パスの数は1入院全体だけではなく、周術期などの一部分に適用するクリニカルパスでも1件とします。
単位
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